2023(令和5)年版

 

12月2日〜4日 善徳寺報恩講準備・当日

 

 依然として新型コロナの感染状況を気にしながら、けれどもそろそろコロナ以前の報恩講に戻ることを視野に入れつつ、無事に報恩講をお勤めさせていただくことができました。いつもながら期日がせまってきてようやく準備を始める体で、まさに自転車操業。準備不足でお世話方の皆さんには申し訳ないなあと思ったことがいつくか。

 そのひとつは、本堂の幕張り。ロープを通した幕を本堂前面のまわりに張っていただくのに、脚立に上って、ロープを引っかけ竿を使って、重い幕を所定の金具に次々に引っかけていただく必要があります。毎年この作業を安全に行うのが大変だと担当のお世話方から伺っているのに十分な対策をしていなくて、今年も直前になって親戚のお寺などに対策などを伺ってはみたものの、結局対策は来年に持ち越しとなって、まことに申し訳ないことでした。

  

  

 

 報恩講は、初日は雨交じりの寒い一日でしたが、二日目は天気も回復し、暖かく明るい雰囲気の中で円成させていただきました。

 

 本年は加藤真悟師(大阪府四條畷市の自然寺ご住職)にご法話をいただきました。加藤先生には、当山報恩講にこれで三度のご縁をいただき、誠に有り難いことです。行信教校でつちかわれた確かな教学の知識に加えて、たくみな弁舌でとても聞きやすく、滋味深いご法話をいただきました。全国各地で布教・講義などに活躍しておられるのもうなずけます。 

「無量寿経というお経には、阿弥陀さまの願いが語られている。……皆さん、お昼召し上がられました? あの、お腹がいっぱいやったら、食べたいとは願いませんわね。お腹すいてると、食べたいという願いが起こるわけですわ。満たされていないということです。この仏さまは、私たち衆生をご覧になられて、満足しなかったわけですわ。どうにかしてこの者を救わなければならないと思われて、願いをかけられた。これが、本願です。阿弥陀さまは、この私のいのちを動かそうと、願いをかけられた。……

 私は好きや、嫌いやなどと、たえずものごとを線引きして、「分別」のなかにおるけれども、「いやきっと、わたしが嫌いや、無意味やとおもっているものにも何か意味があるんやろ、と見るときに、それは単なる私の思いつきやのうて、仏さまの智慧を通して育てられてゆく、気づかされてゆくことです。私の世界が、どんな世界かを気づかされないままにおったら、闇でありますが、その闇が、仏さまの智慧によって破られてゆく。まわりのものごとだけでなく、自分自身に対しても、『自分は価値がないんや、もういらんもんなんや』と自らを傷つけ、見捨てようとするこの私をどうしても救いたいと願われるのが阿弥陀さまです。『お前を私が抱きしめる、心配するな』と願われるのです。その阿弥陀さまの願いに、光に照らされて育てられてゆく、導かれてゆく。そんな人生を頂戴することができるのです……(初日のご法話より、ごく一部を引用)

 

 加藤先生には、このたびの二日にわたるご法話で、お念仏、阿弥陀仏、お浄土、往生成仏という浄土真宗の要を真正面に、知と情の両面から情熱的にお話いただき、参拝のご門徒方と共になんども頷きながら聴聞させていただきました。またのご縁をご門徒の皆さまとともに楽しみにしたく思います。

 


9月9日 秋の法要(同心会・婦人会物故者追悼法要、同心会・婦人会主催報恩講、当山火災記念法要)

 

 7月中旬から途絶えることなく、依然として暑い9月上旬に、秋の法要をお勤めさせていただきました。報道や行政からの通告が少なくなって新型コロナ感染症に対する警戒心がゆるむ反面、じつは感染者が増加しつつある状況で、やはり十分な注意を払って、ご参拝のみなさまをお迎えしたことでした。本当に暑いなかを、このたびも多数おまいりにお出でいただき、まことにありがたく思いました。布教使には、今回は岐阜県揖斐郡池田町浄妙寺ご住職の野村法宏師においでいただきました。個人的にはずっと以前から存じ上げていたものの、当山には初めてのご縁です。お人柄どおりの、とてもやさしいご法話をいただきました。「おかげさま」、「もったいない」、「ありがたい」ということばにうかがわれる浄土真宗の御法義をご参集の方々とともに味わった一日でした。

 

 

 


5月13日 春の法要(花まつり、戦没者追悼法要)

 

 曇り空のもとではじまった春の法要でした。まだまだ新型コロナウイルス感染症には注意を払いつつ、ご参集の方々としばらくぶりにお会いすると、ついつい声を上げてお話しさせていただくことになります。この三年間で人と会わない生活にすっかり慣れてしまいましたが、やはり人が集まると、そこに熱気や活気が生まれ、それがまた一人一人に生気を取り戻させるもののようです。今年も大垣市浄円寺ご住職の富田祐尊師においでいただき、午前午後とご法話をいただきました。昼前あたりからやや風が冷たくなってきて、午後には土砂降りの雨。法座が終わる頃にも強い雨がおさまらず、ご参拝の方々にお帰りいただくには申し訳ないことでした。このたびも多くの方々にご参集いただき、本当に有り難うございました。お昼のおときはまだ再開できませんが、少しずつお寺の活動も元に戻せればと願っています。

 

 

 


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