2017(平成29)年版

 

5月13日 春季法要(花まつり・戦没者記念追悼法要)

 春の心地よい時期、せっかく花まつりをさせていただくのなら、多くの方々にお参りいただいてご聴聞の機会にしたい。それなら従来9月中旬頃に行っていた戦没者記念追悼法要を5月の連休明け頃に動かして春季法要としましょう。そんなわけで始まった5月の春季法要の二回目。今年はどなたにご法話をいただこうかと思案していたところ、ふと浮かんだのが、山口県周南市長久寺ご住職の有國智光先生でした。
 長久寺様とは2003年からインターネットを介してご縁をいただいていました。同御寺院のホームページ「山寺」にはその頃から当ホームページからもリンクを貼らせていただき、メールの交信もたびたびありました。『遊雲さん 父さん――小児がんを生きたわが子との対話』本願寺出版社の御著書もあるご住職に、いつか直にお会いしていろいろお話を伺いたい、ご門徒の皆様と一緒にご法話をいただきたいとかねてから願っていたのですが、ふと思い立って突然にお電話を差し上げたところ、思いがけずご快諾をいただいたのでした。

 12日午後は、役員の皆さんに本堂の掃除、参拝椅子等の設置、花まつりの用意、おときの準備などをしていただきましたが、どうにも気になるのが当日の天気。ゴールデンウィーク以後、概して好天続きであったのが、よりによって13日は終日100%雨で、しかも嵐のような雨風に注意せよとの予報。門前の仏旗や提灯の設置は当日の天気具合を見て判断することにし、またいつもは浜縁に出す白象も、今回は堂内に避難してもらい、ご門徒方と一緒にお聴聞してもらうことにしました。


 有國先生には、午後3時すぎにご到着いただいて以来、12日晩、13日の法要後と、長時間にわたって個人的にも法談をしていただきました。浄土真宗の御法義や仏教のことを念頭に置きながら、話題は生命や物理や宇宙や哲学などに。文・理双方の領域にわたってすぐれて博識の師に、この得がたい機会を逃さぬようにと、じつに様々なことをうかがいました。楽しかった時間の記憶とともに、今後しばらくはそうしたお話の余韻を味わわせていただくことになるでしょう。有國先生には貴重なお時間を割いて遠路お越しいただき、誠に有り難うございました。また、楽しく法要行事を推進していただいた役員のみなさん、有り難うございました。今回もイタリアン精進の新メニュー二種(ネギとこんにゃくのパスタとレンコンとドライトマトのオリーブオイル風味)に挑戦していただきました。繰り返しの味見のおかげで、当日のおときが一番おいしかったですね。そして、雨天にもかかわらず多数おいでいただいたご参拝のみなさん、本当にようこそお参りいただきました。またのおいでをお待ちしています。

 

 

「阿弥陀さまがね、阿弥陀と名乗りあげて下さったこと、これが大きいんです。

 私が生きているという出来事は、じつは私という思いだけですくい取れるだけのもんでないんですね。もっとわけのわからんところまでね、ひろがっておる。言い方かえると、生きておるというのは、わけのわからんことにさらされておることなんです。ですから、生きておるということは安心なことでもなんでものうて、とんでもない怖ろしいことでもあるんですよ、御法義聞かせてもらなんだらね。……

 みなさん、自分自身の死ということを考えたとき、いのちの底に、冷たーいもの、暗ーいもの、なんにも残らんもの、そういったものしか味わえんとしたら、それじゃあ、さみしゅうございませんか。御法義聞かせてもらわんと、いのちのことが分からんというのは、そういうことなんです。……

 それではおおごとじゃと、私たちにとって、自分が生きておるという出来事のいちばん深いところ、私という思いがとどくそのむこうにはたらいてある大きなおはたらき。いうならば、一ついのちぞと名乗りあげて下さってあるのが、阿弥陀のお名乗りなんです。そのおかげで、私たちは、さみしいところに放っておかれておるんじゃあない。いうならば、大きないのちのはたらきに包まれて、こうやってすごさせてもろうておるんだと、うなずかせてもらうことができるんです。

 生きておるということは大ごとなんですが、じつは寂しいところに放っておかれておるんではのうて、いのちの願い――それは阿弥陀さまのお慈悲と言いなおさせてもろうてもええ――に包まれて、あったかいおはたらきに包まれて、いまこうやってすごさせてもろうとるんですね。……まちがいなく一つ大きないのちのつながりへと抱きとっていくぞと誓うて下さってあるのが阿弥陀さまのはたらきなんです。「弥陀のお慈悲はぬくいでのお」というのは妙好人源佐さんのおことばでした。……」(午前のご法話より引用者取意抜粋)

 有國先生には、折々にたくみなたとえ話やご自身のご体験をはさみ入れていただきながら、阿弥陀さまの願いのおたらきに恵まれるいのちのあたたかさについてお話いただきました。岐阜では耳にすることのすくない山口地方のお言葉とともに滋味深いご法話をして下さっておられるのを堂内の皆さんとともに聴聞出来たことは本当に有り難いことでした。今後ともご縁をいただければ幸いです。 


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