んとくじひろ

2010(平成22)年版

 

11月9日、10日 当山火災記念永代経および同心会・婦人会主催報恩講・追悼会

 当寺は昭和3年11月に本堂・庫裡などを焼失するも、ご門徒方の並々ならぬお働きによって昭和9年に新本堂が再建され、落慶法要が営まれました。その先輩方のご努力を記念し、あらためて聞法の機会とさせていただくのが、この記念永代経。それとともに、当時の男性ご門徒によって組織される「同心会」と女性ご門徒によって組織される「婦人会」によっていとなまれる報恩講と、同心会・婦人会会員の追悼会が例年二日にわたって行われます。
 今年は高田篤敬師(岐阜教区中川南組蓮教寺)にお取り次ぎをしていただきました。昨年の当時婦人会研修会に引き続いてのご縁です。はきはきとした中にもやさしさを交えた語り口で浄土真宗のみ教えをわかりやすくお説きいただき、誠に有り難うございました。


9月7日 戦没者追悼会・秋期永代経

 本年も滋賀県守山市教願寺ご住職の向井了暢先生にご法話をいただきました。昨年に引き続き、「行く先お浄土」ということについてのお話です。先生には、仏教の広い立場から、次第に浄土真宗のみ教えの核心へと入ってゆくお話をいただき、ひとすじの道を示していただく思いがいたしました。深いご経験と思索とユーモアを交えたご法話をいただき、まことにありがとうございました。


8月7日 お経を習いましょうのお楽しみ会(キッズサンガ)

 毎年8月1日から7日まで(ただし日曜日はおやすみ)に毎朝7時から続いてきた正信偈の練習。ずうっと草譜ばかりをならってきましたが、お子さん方があまりにもうまくなったので、今年は初めて行譜の練習をしました。その正信偈の練習も、三年ほど前から6日に終了として、7日は夕方からお楽しみ会を兼ねたおさらい会とすることにしました。本山が進める「キッズサンガ」(子供さんがお寺ですごす機会をもうけること、と理解しておきます)を、当寺なりに催しているつもりです。おつとめ、ゲーム、パン作り〜夕食、花火と、今年も楽しみました。


6月25日 第34回善徳寺仏教婦人会研修会並び総会

 梅雨の曇天下ながら、心地よい風が本堂に吹き込んでくれたおかげで、この季節にしては比較的過ごしやすかった一日。婦人会会員、役員の皆様のおかげにより、今年も当山婦人会総会ならびに研修会を開催することができました。特に役員の皆さんには朝早くからてきぱきと会場準備などをしていただき、いつもその力強い元気さに、引っ張られる思いがします。人のなかに入って、互いに元気になれるという雰囲気がうれしいな、と思ったことでした。
 今年は昨年に続いて親鸞聖人をテーマに研修会を進めました。宗祖の750回大遠忌法要をひかえて、この機会をどのようにともに楽しみ、学び、かつ個々の内面に深めてゆくことができるのかについて、あらためて考え/感じる機会とさせていただきました。

 午後には大垣市浄円寺ご住職の富田祐尊師にご講話をいただきました。いつものように笑いをまじえつつ、しかし浄土真宗のみ教えをまっすぐにお話しいただきました。

「損か徳か 人間のまなざし

うそかまことか 仏のまなざし」(相田みつお)

正直なところ、これまで相田さんの詩――ないしその流通の仕方、もっと露骨にいえばその販売の仕方――に共感することはまったくなかったのですが、富田先生のおっとりとした(でも決してべとべとしない)お話ぶりでこんな詩が紹介されて、はじめて心に届きました。富田先生にはご多用の中、まことにありがとうございました。またの機会に、富田マジックをお聞かせいただければ幸いです。


1月4日〜7日 当山報恩講(含準備)

2010年元旦

 2009年の大晦日は近年にはない寒さで、午後11時ごろに鐘楼のある講堂屋上にのぼると、そこは一面に15cm以上の雪。あわてて雪かきをして除夜の鐘つきにお越しの方をお迎えしたのですが、寒い寒い。みなさん雪道の中をよくおいでいただきました。その雪は年明けの元旦、2日にも残り、当地にしてはめずらしく雪の降る寒い正月となったのでした。
 しかしその雪もいったん陽が射すとあっさりと解けてくれ、4日〜7日までの報恩講の準備と本番のあいだは、少々寒いながらも概して穏やかな天気に恵まれました。とはいえ、寒いなかを連日お世話頂いた役員の皆さん、また当日お時間を割いてご参詣頂いた皆さんには、本当にありがとうございました。また本年はご講師として三重県四日市市信明寺さまの日置宗明先生においでいただきました。日置先生には二日間にわたってやさしく、また力強くご法話をいただき、誠にありがとうございました。ご講師の日置先生、役員の皆さん、参詣の皆さんのおかげにより本年も有意義な報恩講の時間を過ごさせて頂くことができたことを深く御礼申し上げます。どうか次のご法縁にも、どなたも足を運んでくださいますよう。再会をよろこびつつ、ともに聴聞し、ともにお育てをいただきたいものです。

行事次第:

1月4日午前 報恩講準備 お華束づくり
  5日午前   〃     お華束づくり、幕張り、おとき準備、他
  6日終日 報恩講当日
          10時 勤行・布教
          12時 お斎とき(食事)
          13時半 勤行・御伝抄拝読・布教
          18時 勤行・布教
  7日午前・午後 報恩講
          10時 勤行・布教
          12時 お斎
          13時半 勤行・布教

ご講師: 三重県四日市市 信明寺 日置宗明師

写真記録:

4日〜5日:報恩講準備(お華束づくり、おとき準備、幕張り、会場設営、内陣荘厳など)

報恩講はお華束づくりから 一晩おいたお華束はこのように
組み上げた後、食紅で色づけ。
おときの準備 本堂では幕引きやお掃除など、寒いなか
ありがとうございます。
屋根にはまだ雪が残り、気温も低いものの、
お照らしがありました。
役員の皆さんには午前9時から寒い中をおいで頂き、
報恩講の準備が整ったのはやはり正午を少し過ぎた
ところでした。


6日〜7日:報恩講当日

日置宗明先生 六日の法座から


「さて、皆さんどうですか。南無阿弥陀仏、というこのお念仏はいったいなんですか? なんですか、というのも唐突なきき方ですが、『南無阿弥陀仏ってなんですか』と、もし人に聞かれたら、みなさんどう答えられます? わかりやすく説明してあげてください。みなさん、なんと言わはります?(沈黙) どうですか。(沈黙) まちますよ僕」
(大笑)
(ご門徒)「名前やないか」
「あ、ありがとうございます。名、ですね。いま名前とおっしゃっていただけました。どなたのお名前ですか」
(ご門徒)「阿弥陀さま」
「そうですねぇ。阿弥陀さまのお名前だということですね。みなさん今度聞かれたら、阿弥陀さまという仏さまのお名前でございます、とそのように答えてあげてください。でもね、それだけではもうすこしたらん。……
 南無阿弥陀仏は名前であると同時に、私は阿弥陀であるぞと名のってくださるのが南無阿弥陀仏なんです。間違いなくお前を救うものがここにおるぞ、と名のってくださっておるのです。……ですから、なまんだぶつ、なまんだぶつ、というのは私がこの口で阿弥陀さまのお名前を称えておるのですが、でもその私が呼んでいるそのお名前は、じつは阿弥陀さまが名のってくださったものなんですね。……」

(日置先生ご法話より趣意抜粋)

 日置先生には初めてのご縁ながら、二日間のご法座のなかでご門徒の皆さんに親しんでいただいて、なごやかに、けれども称名念仏の意義という大切な点についてわかりやすく、深くお話しいただきました。法座の後日、お定飯などのおりにご門徒方から「いいお話を聞かせてもらえた」と言って下さるのは本当にうれしいものです。

 本堂で聴聞するご法話は、わかりやすいところから入っていただきながら、そのじつとても深遠です。仏教のみ教えが指し示そうとしているものは、とても深く、とても広い。その甚深広大のみ教えを聞き学ぶことは本当にたのしく、わくわくすることです。けれどもその一方で、凡夫である私はそのみ教えのすべてを理解するわけには到底まいりません。聞いたそばから忘れてゆくし、さらに、それまで学んできたことはおろか、人生の記憶のすべてのことを忘れてしまうこともあるかもしれないのが私どもの人生です。でも、わかって救われるわけではない。すでに救われていることに気づかせていただくのが浄土真宗のみ教えである、とは、たびたびお聞かせいただくことです。このたびのお聴聞では、そうした浄土真宗のみ教えの有り難さを実感したことでした。どうか本年も、ともにお聴聞によってともにお育てに預かる一年でありたいものです。


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