2006(平成18)年号外

善徳寺から門徒推進員が誕生しました!

 岐阜教区華陽組において、2005年度から2006年度の二年間にわたって合計十二回開催された第四期「門徒推進員連続研修会」(以下「連研」)には、ありがたいことに当寺から十人ものご参加をいただき、組内の他寺院のご門徒方とともに身近な生活の中と関連させつつ浄土真宗のみ教えについて毎回熱心に学習を重ねて下さいました。私も僧侶としてこのたびの「連研」には毎回同席させていただき、ご参加のご門徒の皆さんから多くのことを学ぶことができました。ご参加の皆さんには本当にありがとうございました。

ところで、その「連研」修了者のお一人である瀬戸一男さんが、ご本山での三泊四日にわたる中央教習を終了されて、晴れて「門徒推進員」となられました。私どものお寺にとってもとても喜ばしいことです。瀬戸さんは、当初から中央教習への参加をご希望されており、十二回の「連研」にはいつもご自身のうちに問題意識をもちつつ、本当に真摯に受講されていました。

以下は、ご本人による中央教習のご報告です。瀬戸さんには、せっかくの貴重な体験をなんらかのかたちでご報告していただけませんかとのお願いにご快諾いただき、ありがとうございました(それにもかかわらず、掲載が大変遅れたことを深くお詫び申し上げます)。中央教習は、本当に意義深い体験であったこと、同じく教習を受けた全国のお同行がたとはその後も親しいお付き合いが続いていることなどを、瀬戸さんから聞かせていただき、私も浄土真宗の僧侶として本当にありがたく、うれしく思っています。今後、瀬戸さんに続く方が出ることを願っています。


門徒推進員中央教習に参加して

瀬戸一男(釈応信)

・期日 平成18630日〜73

・場所 本願寺聞法会館

・参加研修者 全国から46(岐阜教区からは3名で、うち華陽組からは私を含めて2名の参加でした)

*その他スタッフ(布教使の先生方)14名、門徒推進員OB見学者2名、事務局育成研修部11名の皆様でした。

研修内容の報告

 第一日目 各々昼食をすませて午後より第1回目の法座がありましたみ教え」についてで、通常の連続研修会(連研)と同様に、ご講師の問題提起の後、班別法座、そしてまとめの法話という順序で進行されました。

問題提起:@「気づき」について。なぜ私は連研にきたのか。A連研に来てよかったなあと思ったことを話し合う。
班別法座で出た意見:@私の班
7人のうち、5人が連れ合いに先立たれてお寺やお墓まいりによく行っていた。そこでお経の意味がよく分からない。定年を機に聴聞の機会が増えた。地元のお寺の仏教婦人会、仏教壮年会の会合に出ていて、すすめられた。このようなきっかけで連研に参加するようになった。B連研を通じて友人が増えたことはよかった。

 こうして1日目は終わりました。同じ班になった別の地区の人と4人同室で眠りました。

   第二日目 二日目は大きなイベントがあります。帰敬式です。6時の晨朝参拝に間に合うように、5時起床。参拝のすぐ後に帰敬式をうけられるように服装を整えて本堂へ集まりました。参拝の後ご門主さまより一人一人おかみそりをうけました。

朝食の後法座の開始です。前日と同様の話し合い法座の形式で、初詣からクリスマスまで、仏式、神式、キリスト教まで、ごちゃまぜでやっているような、わたくしたちの宗教生活のあり方について話し合いました。個人的にも大変関心のある問題でした。私は浄土真宗のみ教えを聞くものとして、家にはお仏壇のみを置いて神棚は置いておりませんが、同じ班に、もうお一人、そうした方がおられました。地域のさまざまな宗教的行事や習俗とどのように関わるか、ということについては、それぞれに問題を抱えていました。

昼食後の法座(3)は差別の問題についてでした。宗教界にある差別について、あるいは、私のうちにある差別意識について話し合いをしました。班別法座では、正しい現実を知る、言葉に気をつけることの大切さが指摘され、またまとめの法話では、「想像力の欠如」ということが問題なのではないか、ということが言われた。研修による正しい知識。相手とのつながりの中からしか自分はありえない。一人一人を大切にしていく。謝罪(あやまる)、是正(なくす)、防止(もうしない)。気が付いたときにあやまれる自分。

  法座終了後、OBの門徒推進員から活動状況の発表。その後、法名の授与。私の法名は釈応信。釈はお釈迦様の弟子にしていただいたという意味で、応信は御本典(『教行信証』)の行巻にある「五濁悪時群生海 応信如来如実言」の言葉に由来。親鸞聖人は、さまざまな汚濁や悪に満ち満ちた時代に生きる者たちこそ釈尊が説いてくださった真実の言葉、すなわち阿弥陀如来の本願の教えを聞きじるべきであるとお勧めくださっています。

 こうして2日目が終わりました。

  3日目 今日は4日間で最も緊張する日です。それは、夕食後に決意表明式があるからです。

まず午前の法座は「浄土」について。「つらかった時、苦しかった時、悲しかった時ささえてくださったのは何だったのか」という問題提起に対して、班別法座では、 班の一人一人が自分の一番つらかった時の話をすることになりました。7人のうち5人は、つれあいに先立たれて孤独になった時のことや、子供の教育で悩んだことを話され、皆もらい泣きで、涙涙の法座でした。そしてそれがきっかけで阿弥陀様におまいりするようになった、など。以前からの知り合いのように話し合いました。まとめの法話では、「言葉が人を刺したり救ったりする。ともにかがやく世界へ皆で向かって行く。仲間はずれをしたくない」というお話がでました。

 昼食後は御示談で、自分の悩み等について講師の先生と個人面談をしました。順番を待っている間に仏教讚歌の練習と夕食後の決意表明式についての仏事作法です。示談では煩悩に振り回される自分について話しました。先生からは笑顔でいきましょうといわれました。仏教讚歌の、たびゆくしんらん、とか、重誓偈をメロディにのせてうたうのは、なかなかよかった。

 夕食後、いよいよ決意表明式です。参拝会館の電気を消してローソクの光の中、先生方の読経のうちに一人一人阿弥陀様の前で門徒推進員としての決意を表明しました。聞法を続けながらお念仏の仲間を増やすように努めます、とか、ボランティアを続けますという方が多かったです。本当は、その後自分の法名を言うことになっていましたが、4分の1位の人は、忘れてしまいました。皆さん緊張していました。終わって出てきたら先生方が拍手で迎えてくださり皆感動しました。

 その後茶話会やら事務連絡で10時になってやっと入浴。朝5時に起きていましたので長い1日でした。

  4日目 晨朝参拝の後、国宝の白書院で作法を教えていただきながらお斎をいただきました。その後白書院の見学をさせていただきました。

 懇親会ではお世話くださったスタッフや先生方に感謝の気持ちを込めて、たびゆくしんらんを三部合唱で歌いました。受講者の中にコーラスの指導者が居て、うまくいきました。別れのおりには研修参加の皆さんと再会を約束しました。

 聞法会館の食事はおいしくて皆さんの評判もよかったです。ただしアルコールは3日間無しでした。

釈応信


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