2006(平成18)年版

 

善徳寺から門徒推進員が誕生しました!こちらのページをご覧下さい。


6月28日 当山第30回仏教婦人会総会並びに研修会

 例年よりも少しだけ早く開催されたこともあって、この時期にしては比較的過ごしやすい気温・湿度のもとで意義深い総会・研修会ができました。今回はちょうど30回目の節目にあたることもあって、婦人会役員の方々とも例年以上に事前に打ち合わせ、準備をした上での会でありました。ご講師として鎌田宗雲先生をお迎えしての午後の研修会については、特に第30回の記念行事として、婦人会のみならず、「善徳寺聞法のつどい」と銘打って広く一般の方々もご参加いただくものとしたのでした。当日ご参加の皆さん、婦人会役員の皆さん、そしてなにかとご多用にもかかわらずご講師においでいただいた鎌田先生には誠に有難うございました。梅雨の時節ながら、なごやかなうちに味わい法を聴聞して、さわやかな風をいただいたような一日でした。

研修会・総会当日レジュメ表紙

 テーマ  み教えにたずねる本当のゆたかさ
 ご講師  鎌田宗雲師(滋賀県彦根市報恩寺ご住職、中央仏教学院ご講師等)
 当日プログラム

10:30  受付
10:40 1.開会式

1.    開式のことば
2.    勤行(讃仏偈)
3.   
住職あいさつ
4.    仏教婦人会綱領(唱和)

11:00 2.善徳寺仏教婦人会総会

1.    会長あいさつおよび17年度行事報告
2.    会計ならびに経過報告
3.    会計監査報告

11:20 ……………休憩………………
11:25 3.研修会

1.    仏教讚歌
2.    浄土真宗の心得

11:50 …………昼食・休憩…………
12:45   「善徳寺聞法のつどい」一般受付
13:00      3. 講話 鎌田宗雲師
14:45      4. 話し合い

14:55 4.閉会式

1.    会長あいさつ
2.    恩徳讃
3.    閉式のことば

15:00 解散

鎌田宗雲先生

研修会風景

「私はなぜ生まれてきのか、なぜいま生きているのか、死んだらどうなるのか。 この三つのことを知ったら、いのちがかがやくんですね。このことを知らないでいて、どんなに長生きしてもさびしい人生なのですね。昔の人はこのことを『後生の一大事』といったのですね。……いくら偉くなっても、『人間は死んだらゴミになるから葬式はせんでもいい』というのはとてもさびしいことです。……」

 鎌田先生には、始終笑いをいただきながらも、「いのちを大事にする教えにであう」ことが、本当の人生のゆたかさにつながるものであることを、わかりやすく、また深くお話しいただきました。


 

1月4日〜7日 当山報恩講(含準備)

 雪の報恩講を覚悟していました。この冬の寒さは何十年ぶりかという厳しさだというし、12月22日に降った大雪の残雪は年が明けてもまだ少し残っているほどでしたから。毎年、12月末には暖かでも、この報恩講の頃になるととたんに寒くなるのですから、ましてこの厳冬のおり、どうなることやらと心配していたのですが...フタをあけてみれば、ありがたいことに、7日朝にうっすらと境内を覆うほどの最小限の雪ですんでもらえました。気温は概して低いけれども、時には暖かな陽射しにも恵まれ、穏やかに報恩講を営むことができました。とはいえ、寒い中で連日おとりもちいただいた役員の皆さん、熱心に御参拝いただいた皆さんには本当に有り難うございました。また本年は、6日には那須野浄英先生、そして7日には大野孝顕先生のお二方においでいただき、まことに有り難うございました。二日間にお二人の先生のご法話を聴聞させていただくというたいへんに贅沢な報恩講をさせていただきました。法を聞くことの楽しみをあらためて感じさせていただいた次第です。

行事次第:

1月4日午前 報恩講準備 お華束づくり
  5日午前   〃     お華束づくり、幕張り、おとき準備、他
  6日終日 報恩講当日
          10時 勤行・布教
          12時 お斎とき(食事)
          13時半 勤行・布教
          18時 勤行・御伝抄拝読・布教
  7日午前・午後 報恩講
          10時 勤行・布教
          13時半 勤行・布教

写真記録:

4日午前:報恩講準備 お華束づくり

報恩講の準備はまずお華束づくりから。
例年通り米粉から餅を作って、
これを整形するところまでが
準備初日の仕事です。



5日午前:お華束づくり、幕張り、おとき準備など

報恩講前日は忙しい。寒い中、外では
本堂のぞうきんがけや、
幕張りや提灯かけなどを
みなさんそれぞれがしていただいています。

しかしあいにくお定飯(月まいり)のために
外に出かけている時間でもあり、
毎年、十分な記録ができないのでした。

炊事場では報恩講のおとき(食事)の準備中。
「なます」に入れる大根を切っているところ。

まる揚げの煮物の調理中

お華束作りも昼頃になって
ようやく色づけの最終段階

餅(お華束)、菓子、果物を内陣にお飾りして、
これで準備が終わりました。

お華束の色づけの仕方はお寺ごとに
それぞれ少しづつ異なるようで。
当寺ではご門徒からご門徒へと、
この色とデザインが伝わっています。

朝早くから寒い中で準備をしていただき、
ありがとうございました。
この後は慰労の昼食会で、
今日はおしまいです。

さいわい、寒いながらも昼には
陽が差すようになり、
ほっとしました。
しかし本堂の屋根には
旧年中の雪がまだ残っていて、
樋をつたって雪解け水が
絶え間なく落ちています。

報恩講当日

6日:

那須野浄英先生

この日は夕方になって
急に気温が低くなって行きました。

 

昼のお斉(とき)
とくに甘い白みそのおつゆが
報恩講独特の味です。

夜の法座には、
あたたかい甘酒のお接待が
ありがたいです。

7日:

大野孝顕先生

「……煩悩に気が付かずに相手を責めてゆくのか、あ、これを煩悩と言うんだな、はずかしい、あさましい、と教えられるか、これが大きな違いなんですよ。

なんまんだぶ、なんまんだぶ

とお念仏を通してね。……煩悩がすくいのご法義を味わうご縁となってくださるのですよ。これを煩悩というんだな、はずかしい、あさましい、と教えられながらね。でも、そういう煩悩ある者を救うといってくださる仏さまがいてくださるのですね、と、ここでご法義を味わって行くのですよ。……私たちはこの人生を通して、なもあみだぶつのお念仏が私を救う真実の教えであったことを確認させていただく、これが念仏者の歩む道ということなんです……」(二日目大野先生のご法話より)

 浄土真宗のお説教(ご法話)は、一般にうけとられがちなように、話し手の一方的な訓戒をただ頭を垂れて聞くものではけっしてありません。布教使のことばが聞く者の心に届いて、「ああ、そうやな、そうやったんやなあ」と、うなずかれるとき、はじめて成立するものです。このことを、このたびのご縁を通してあらためて感じさせていただきました。ご法話を聴聞する方々が、布教使さんのお話に笑い、心打たれ、うなづくとき、お堂の中は、意味が立ち上がる場、あるいは意味を確認する場となります。参拝の方々がお聴聞を喜ぶというのは、ただお説教を受動的に聞くというのではなく、その聞くことを通して、私もまたこの意味(お念仏の意味、日常の意味、生死の意味、真実の意味など、あるいはむしろそれらの総体としての意味)が立ち上がる現場、確かめる現場にたしかに立ち会えたことを喜ぶという面が多分にあるのではないでしょうか。
 このたびは那須野先生、大野先生のお二方から、それぞれにちがったお話ぶりでご法話をいただきながら、しかも同一のお念仏のみ教えを聞かせていただいたことは、重ね重ね、本当に有り難いことでした。本年もまた、みなさまとともに、聴聞に育てられる一年でありたいものです。


バックナンバー

2005(平成17)年の記録
2004(平成16)年の記録

2003(平成15)年の記録

2002(平成14)年の記録
2001(平成13)年の記録

2000(平成12)年の記録

無盡燈トップページヘ